U 科学(Musical life)

vol.14 冠婚葬祭 -Religious Ceremony-




現代社会において特に重要な学問を取り上げる。
第1弾は宗教学。「冠婚葬祭」について研究する。

<ページのベクトル>

<目次>

【1】宗教〜神道と仏教とキリスト教〜

【2】結婚〜人生で最もめでたい日〜

【3】葬儀〜死者の冥福を祈る〜






★更新:2021/11/4
★ページ完成度:70%(公開OK)
★文字数:約7000字(達成)



キーワード検索




『小さなお葬式』:(株)ユニクエスト・オンライン



全国対応、低価格のシンプルなお葬式が依頼可能。

●料金:いずれも追加料金ナシ!

・小さなお別れ葬→140,000円
・式なし、火葬のみ→188,000円
・通夜なし、一日葬→338,000円
・通夜あり、家族葬→488,000円
・100名までの葬儀→638,000円




【1】宗教〜神道と仏教とキリスト教〜


冠婚葬祭について、切っても切り離せない要素なのが、宗教である。宗教の例は下記の通り。

・神道(しんとう):日本では1億人以上
・仏教:日本では9000万人以上
・キリスト教:日本では200万人以上
・イスラム教
・ヒンドゥー教

ここでは日本で最も信仰される神道、仏教、キリスト教の3つについて解説する。

T 神道-神社を通じて神様を信仰

(1)神道とは

神話、自然などに基づいたアニミズム(※)的民族宗教。日本固有の様々な神様を信仰する多神教。教典はなく開祖もいない。自然と神は一体とし、神と人間を結ぶ作法を祭祀(さいし)と呼び、祭祀を行う場所が
神社である。

※アニミズムとは、生物、無機物含め全ての物に霊魂が宿っているという考え方。

(2)神道の分類

神道にはいつくか種類がある。例えば下記の通り。

・皇室神道
・神社神道
・民俗神道
・教派神道
・古神道(こしんとう)
・国家神道
・橘家(きつけ)神道
・雲伝(うんでん)神道
・法華(ほっけ)神道
・伊勢神道

(3)神道の結婚式=神前式

神社や神殿で行われる、日本の伝統を大切にした結婚式。主な特徴は下記の通り。

・神前式にかかる費用は首都圏で平均28.5万円
・衣装は新婦は白無垢、新郎は紋付羽織袴が正装

●神前式の流れ

@参進の儀
A入場
B修祓(しゅうばつ)
C祝詞相乗(のりとそうじょう)
D誓杯(せいはい)の儀
E神楽奉納(かぐらほうのう)
F誓詞奏上(せいしそうじょう)
G玉串奏奠(たまぐしほうてん)
H指輪の交換
I親族杯の儀
J斎主あいさつ
K退場

※神前式の基礎知識(ゼクシィ)

(4)神道の葬儀=神葬祭

神道に基づく葬儀を「
神葬祭」と呼ぶが、日本では葬儀の多くは仏式で、神葬祭の割合は全体の約数%にすぎない。その理由は江戸時代に行われた寺請(てらうけ)制度の影響が大きい。この制度は幕府がキリスト教禁止を狙いとし、どの家も強制的に仏教のいずれかの宗派に所属させたため。神葬祭の流れは下記の通り。

@枕直しの儀
A納棺の儀
B柩前日供(きゅうぜんにっく)の儀
C帰幽奉告(きゆうほうこく)の儀
D墓所地鎮祭(ぼしょじちんさい)並びに祓徐(はらいよけ)の儀
E通夜祭並びに饌霊祭(せんれいさい)の儀
F発柩祭(はっきゅうさい)の儀
G発柩後の祓徐の儀
H葬儀祭の儀(告別式)
I埋葬祭並びに火葬祭の儀
J帰家祭(きかさい)の儀
K霊前祭の儀

※神道の葬儀について(セレモア)

U 仏教-寺院を通じ仏を信仰

(1)仏教とは

インドの釈迦(仏陀=仏)を開祖とする宗教。寺院には仏陀を模した仏像が祀られる。

(2)教団の種類

一口に仏教といっても様々な部派、宗派が存在する。例えば下記の通り。

・大乗仏教
・部派仏教
・初期仏教
・華厳(けごん)宗
・法相(ほっそう)宗
・律宗(りっしゅう)
・真言宗
・天台宗
・日蓮宗
・浄土宗
・浄土真宗
・融通(ゆうづう)念仏宗
・時宗
・曹洞宗(そうとうしゅう)
・臨済宗
・黄檗宗(おうばくしゅう)

●大乗仏教

仏教の一派。ユーラシア大陸の中央部〜東部にかけて信仰される。

●部派仏教

インドを中心に成立した20の部派の総称。

●初期仏教

釈迦が生きていた間の仏教。

(3)仏教の結婚式=仏前式

寺院や自宅の仏前で挙式を行う。現世での結びつきだけでなく、来世での結びつきまで誓う。仏前式を挙げた有名人の例は下記の通り。

・市川海老蔵・小林麻央
・スティーブ・ジョブズ
・つんく

仏前式の流れは下記の通り。

@参列者入堂
A新郎新婦入堂
B僧侶入堂
C敬白文朗読
D念珠(ねんじゅ)授与
E司婚の辞
F新郎、新婦の順で焼香
G誓杯
H法話
I退堂

(4)仏教の葬儀=仏教蔡

日本で行われる葬儀の多くは仏教に基づく仏教祭。主な流れは下記の通り。

@通夜
A葬儀(告別式)
B火葬


●葬儀の流れ

・引導渡し
・弔辞(ちょうじ)
・弔電
・読経と焼香
・花入れ
・出棺

V キリスト教

(1)キリスト教とは

紀元前30年ごろ、ローマ帝国支配下に生まれた「イエス・キリスト」が十字架刑で殺され、死後復活し、昇天後に聖霊降臨したという出来事により誕生した宗教。キリスト教の特徴の例は下記の通り。

・イエス・キリストを唯一神として信仰する
・「聖堂」や「教会堂」にて典礼や集会を行う
・キリスト教徒は人生の道標として神の言葉を記した「
聖書」をもつ
・隣人や敵を含めあらゆる人を愛しなさいという無限の愛を説く
・イエス・キリストの降誕日12/25にはお祝い行事「クリスマス」がある

(2)キリスト教の宗派

キリスト教の宗派は大きく3つに分けられる。

@カトリック
Aプロテスタント
B正教会(東方正教会)


●カトリックとは

バチカンにいる法王を頂点とする「教会」そのものを大事にする。毎週日曜日に「ミサ」という活動を行う。

●プロテスタントとは

16世紀はじめ、宗教改革により成立した新教徒。

●正教会(東方正教会)とは

ロシア正教会、ギリシア正教会、シリア正教会などキリスト教教団の総称。カトリックやプロテスタントが西ヨーロッパを中心に広がったのに対し、正教会は中近東を中心にギリシャ、東欧からロシアに広がった。正教会は、「神による人間の救い」を直接体験した「使徒」たちの信仰と教会のあり方を唯一正しく受け継いできたと自負している。

(3)キリスト教の結婚式=教会式

愛と真理の御言葉の聖書を通して、神に見守られながら祝福してもらうという結婚式。チャペル式といわれる花嫁の白いウェディングドレスが象徴的。日本でも王道とされる一番人気の挙式スタイル。主な流れは下記の通り。

@列席者入場
A新郎入場
B新婦入場
C全員で讃美歌斉唱(せいしょう)
D司会者による聖書の朗読、祈祷
E結婚の誓い
F結婚指輪の交換
G誓いのキス
H司会者による結婚成立の宣言
I結婚証明書へのサイン
J新郎新婦退場
K式後の祝福

(4)キリスト教の葬儀

カトリックとプロテスタントで葬儀の流れが異なる

●カトリックの場合

葬儀と告別式を別々で行う。葬儀の流れは下記の通り。

@入堂聖歌
A開式の辞
B葬儀のミサ

告別式の流れは下記の通り。

@入堂聖歌
A聖歌斉唱
B弔辞・弔電紹介
C献花
D遺族あいさつ

●プロテスタントの場合

葬儀と告別式は分けずに行う。流れは下記の通り。

@入場
A聖書朗読、祈祷
B牧師による説教
C弔辞・弔電紹介
D祈祷・オルガン奏楽
E告別の祈り・献花
F遺族あいさつ

【2】結婚〜人生で最もめでたい日〜


異性と結婚し、一生共に歩むことを誓う儀式。結婚式をしなくても結婚できるが、一生に一度の舞台なので、大切にしたい人は多いだろう。

(1)交際〜プロポーズ

結婚をしたい人が見つかったら、男性から女性へのプロポーズが必要になる。結婚の前にお互いのことをよく知る必要があるので、いきなりプロポーズするのではなく、まずは一定の交際期間(付き合う)ことが必要。
告白→交際→プロポーズ→婚約→結婚という流れだ。平均して交際してから2年ほどたって結婚したいという男女が多いようだ。

・告白とは、交際を申し込むこと
・婚約とは、結婚の約束をすること

(2)婚約指輪と結婚指輪の違い

婚約や結婚に欠かせないのが、指輪である。婚約指輪や結婚指輪は
左手の薬指にはめなければならない。婚約指輪と結婚指輪の違いは下記の通り。

・婚約指輪は、男性→女性に贈り、女性が婚約の期間中つける。結婚式のタイミングや、結婚指輪を購入したタイミングで外す

・結婚指輪は、結婚の証として男女が身に着けるペアリングのこと。結婚式の最低1カ月前には購入しておき、入籍日や結婚式の当日などに着ける。結婚後いつまで着けなければならないかは決まってない。


結婚指輪については、同じデザインでないとダメということはないが、できればペアリングが好ましい。ペアリングで指輪が販売されている。ただ、男女で指の大きさが違うことが多いので、幅や仕上げだけ異なるように注文する必要がある。

(3)結婚式のメリットや費用

結婚式は、しないという選択肢もある。結婚式をしない場合のメリットや理由は下記の通り。

・費用がかからない
・目立たなくていい
・再婚、家庭内不和などの事情がある


対して結婚式をする場合のメリットは下記の通り。

・夫婦としての覚悟がもてる
・親戚や友人に対し一度に結婚報告ができる
・交友関係を円満に保てる


●結婚式の費用

費用の平均は
300万円前後。挙式や披露宴にかかる費用が最も高く、ゲストへの飲食費が大きな割合を占める。内訳の例は下記の通り。

・料理代:約100万円
・衣装・美容代(※):約87万円
・写真・映像代:約42万円
・披露宴会場代:約32万円
・引出物代:約27万円
・飲物代:約26万円
・装花(そうか)代:約26万円
・演出料:約20万円
・サービス料:約20万円
・挙式会場費:約19万円


※衣装・美容代とは、ウェディングドレスやヘアメイクなどにかかる費用のこと。

※参考サイト

・入籍しても結婚式しない理由とデメリット(Wedding Table)


【3】葬儀〜死者の冥福を祈る〜


親族が亡くなったときに参加する儀式=葬儀。それは死者のための儀式であり、死者を想い、弔うことが必要

・冥福とは…死後の幸福

T 葬儀(仏教葬)

(1)葬儀の意義

そもそもなぜ葬儀が必要か?現代社会では、人の死は重く取り扱われ、人の死が確認できた時点で葬儀を行うのが一般的だが、義務ではない。故人が生前、葬儀を望んでなかった場合はしないこともできる。遺族が必ずしも葬儀や埋葬、建墓をしないといけないわけではない。葬儀の流れは下記の通り。

@死亡届提出
A通夜
B葬儀
C火葬か土葬
D納骨:日本では48日後、骨を墓に納める


●散骨、水葬、死体遺棄

散骨とは、火葬後に遺骨となったものを故人の思い入れのある場所などに撒くこと。

水葬は葬儀方法の一種で遺体を海や川に葬る方法だが、現代の日本では違法になるため、基本的には行わない。

死体遺棄は違法。死体を放置すると腐敗により異臭を放ち、病害虫の発生源になり、感染症の原因になる。不当に放置した者は3年以下の懲役。

(2)葬儀の費用

葬儀には莫大な費用がかかる。全国平均は総額約195万円。葬儀の種類によっても異なり、多い順に例えば下記の通り。

・一般葬:約150万円
・家族葬:約95万円
・一日葬:約85万円
・火葬式:約45万円


葬儀費用の内訳は例えば下記の通り。

・葬儀一式費用:平均約122万円
・寺院関連費用:約47万円
・飲食接待費用:平均約31万円


●葬儀費用は誰が支払う?

血縁関係の最も深い者が「施主(せしゅ)=お布施をする主」となって支払うのが一般的。

●葬儀の費用が出せない場合

親族がいない場合や、費用がだせない場合は通夜や葬儀を行わず、葬儀屋に依頼して直接火葬する。いずれにしても費用はかかる。親族がいない場合の引受人は、遠い親戚や、アパートの大家などになる。当人が生活保護を受けていれば市町村から葬儀代30万円が出る為、それで葬儀ができる。

(3)忌引き

親族が死亡したさい、葬儀などに出席するために会社や学校を休むこと。「特別休暇」として認められるのが一般(会社なら給与発生)。但し、親族との間柄により休暇として認められる日数が定められている。亡くなった家族との関係性により忌引きができる期間は下記の通り。

・配偶者:10日間
・父母:7日間
・子:5日間
・兄弟姉妹:3日間
・祖父母:3日間
・叔父・叔母:1日間


(4)通夜(つや)

葬儀前日に行う儀式。仏教、神道、キリスト教で行われる。故人との最後の夜を共に過ごすためという意味がある。特徴は下記の通り。

・時間帯は18時〜22時
・納棺(故人を棺に納める)する
・お坊さんがお経を読む


●お坊さんが「お経」を読む

通夜、葬儀を通じて、お坊さんが「経典」を低音でビブラートをかけながら棒読みで読み上げること。「経典」(きょうてん)とは仏の教えを記したもの。

(5)葬儀と火葬

葬儀は斎場(さいじょう)で行われる。斎場には豪華な「祭壇」がある。主な流れは下記の通り。

@お坊さんがお経を読む
A親族でお焼香
B出棺
C火葬場に移動して火葬
D納骨


葬儀の形式は故人(亡くなった人)が信仰していた宗教に基づいて行われるのが一般的。故人と家の宗教が違う場合は家族や菩提寺(ぼだいじ)と相談して決める。

●菩提寺とは

先祖の位牌を収めている寺。

・菩提とは…死者の冥福

●位牌(いはい)

死者の霊を祀るために名前を記した木の板。以下の3種類ある。

・野位牌:葬儀のとき使用
・本位牌:四十九日の忌明け、納骨以降に仏壇に置く
・寺院位牌:寺院内で使われる



●お供え物

死者の霊前に捧げるもの。「御香典」や「不祝儀袋」

・御香典(おこうでん。御霊前=御仏前)は現金を不祝儀袋に入れたもの。金額は血縁関係が深いほど高く入れるのが一般的。

・不祝儀袋(ぶしゅうぎぶくろ)は葬式や法事のさいに、金品を包むのに用いる袋。

●お焼香とは

故人の冥福を祈って捧げる作法。宗派によって若干やり方が異なる。日蓮宗の例では手順は下記の通り。

@自分の順番がきたら祭壇に進む
A遺族に一礼、遺影に一礼
B抹香をつかみ額に当て、横の入れ物に移す
C遺影に向かって合掌し、頭を深く下げる


●出棺〜火葬〜納骨

棺の中に花を添え、故人の火葬場への出棺を見送る。火葬の所要時間は1.5時間前後。火葬後残った骨を遺族で骨壺(こつつぼ)に納めることを「納骨」と呼ぶ。

(6)墓地と墓参り

墓地とは、遺体または遺骨を収めて弔う場所。墓地は購入する必要があるが、土地の購入ではなく、永代使用権を買うということになる。価格の相場は
70万〜200万円。墓地は3種類あり、下記の通り。

・寺院墓地:寺院が運営管理
・公営墓地:都道府県、市町村など自治体が運営管理
・民営墓地:法人や民間企業が運営管理

墓地を購入する流れは下記の通り。

@墓地や霊園の情報収集
A墓地や霊園の資料請求
B墓地や霊園の見学
C墓地や霊園の契約
D墓石に関する話し合い

U 死後の金銭問題

(1)遺産相続

故人の財産は親族に引継がれる。現金以外の所有物全てが対象となり、マイナスの財産も含まれる。相続財産に含まれるものは例えば下記の通り。

・現金、小切手
・住宅、土地、建物、店舗
・自動車や船舶
・宝石、貴金属
・電話加入権
・著作権
・慰謝料請求権
・借金、住宅ローン、未払いの税金

親族のあいだで、相続順位が高い順に並べると、下記の通り。

@配偶者
A子
B親、祖父母
C兄弟姉妹

(2)生命保険

故人が生命保険を契約していた場合、契約者が死亡したときに受取人に対し、保険金が支払われる。主に残された家族の生活費を保障をするのが目的。生命保険にはいくつか種類があり、下記の通り。

・死亡保険
・生存保険
・生死混合保険


死亡保険は、契約時に定めた期間中に亡くなった場合に保険金が支払われる。生存保険は、契約時に定めた期間まで生存していた場合に保険金が支払われる。生死混合保険は、死亡保険と生存保険の両方の性質をもつ。

●生命保険契約→毎月支払いが必要

生命保険に加入すると、契約者が保険会社に毎月「
保険料」として保険会社にお金を支払わなければならない。そして満期まで生存、または契約者が期間中に死亡したときに、保険会社から受取人に支払われるのが「保険金」である。

●保険料と保険金の相場は?

保険料の相場は毎月32,000円。死亡保険金額の平均は約2200万円。







LINK