U 科学(Musical life) 171:手塚漫画=命の大切さとロマン -Tezuka-World-★一部で有効。 独創的な作品のうち、特に面白い世界を取り上げる。 第1弾は手塚作品まとめ。 <目次> 【1】手塚治虫の代表漫画 【2】手塚治虫の青年漫画 【3】手塚治虫の少年漫画 ★更新:2022/1/7 ★文字数:約3000字(OK) 『ブラック・ジャック 手塚治虫文庫全集(1) Kindle版』 手塚治虫の代表的漫画作品が電子書籍で読める!漫画として面白いのはもちろん、命の大切さを学ぶことができる。 |
【1】手塚治虫の代表漫画★一部で有効。 手塚作品の中でも特にクオリティの高い名作3選。 T ブラックジャック 無免許の医者「間黒男(BJ)」が数々の患者を治す、生命の尊さを描いた漫画。 いずれも高額な請求をするのが特徴。特に感動する話をいくつか紹介しよう。 『ときには真珠のように』 ※秋田書店版「1巻」に収録! 黒男の恩師、「本間丈太郎」の話。彼から1通の小包みが届き、中には殻に包まれたメスが入っていた。 それがきっかけで黒男は彼に会いにいくが、彼は病気で死にかかっていた。 本間は黒男を治療した医者だが、彼が治療で犯したミス、黒男が本間を助けられず 死んでいったことに対する本間の名台詞 「人間が、生き物の生き死にを自由にしようなんて、おこがましいとは思わんかね…」が印象的。 『友よいずこ』 ※秋田書店版「2巻」に収録! 黒男の幼少時の親友、混血人「タカシ」の話。黒男はかつて大事故で顔の皮膚の左側を皮膚移植しており、 その時皮膚を提供してくれたのがタカシだった。しかし混血児だった為皮膚の色が違い、 その事を知人から指摘された為、皮膚を変えることを勧められる。 黒男はそれがきっかけでタカシを探すが、大人になったタカシは自然保護運動に参加しており、 ニュースで命を落としたことを知る。黒男はタカシの形見になった皮膚を生涯大切にすることを誓うのだった。 『ある老婆の想い出』 ※秋田書店版「3巻」に収録! とある女性看護師「メアリ」と、とある妊婦の話。メアリはとても優しい性格で、 患者の為にいつも愛情を注いでいた。ある日道端で妊婦が苦しがっているのを見て、すぐ病院に運んでもらう。 妊婦は子宮破裂を起こしていて、手術が必要だった。しかし病院にはすぐ対応できる医師がおらず、 たまたま車で通りがかった黒男が執刀することに。そして無事赤ちゃんは助かり、 その赤ちゃんは数年後なんと大統領に。老婆になったメアリは黒男が言っていた言葉を思い出す。 「人の命を救うことでその人の人生を変えたなら、 歴史も変わるかもしれない。医者や看護婦は、そういった役目なのだ」。と。 U ブッダ 仏教の開祖「シッダルダ」の生涯を漫画にしたもの。オリジナルキャラクターも登場。仏教が生まれたきっかけや、慈悲の大切さなど、でっかいテーマ・命そのものについて考えさせられる。 V 火の鳥 太古〜未来の世界を舞台に何部作かで構成される。未完。ブラックジャックやブッダと同様、「命の大切さ・命とは何か」がテーマ。火の鳥は永遠の命をもつとされていて、生に執着する人間達はその生き血を狙おうとする。 『黎明編』 『未来編』 遥か未来の地球は、大気汚染などで地上は住めない世界となっていた。人類は地下に都を築き、暮らしていたが、戦争が起きる。主人公「マサト」は火の鳥から人類は滅亡してしまうのだと知らされ、地球再生の任務を負わされる。マサトは死ねない身体となり、悠久の時間を孤独なまま過ごすはめになる。その苦痛は想像しきれない。 『ヤマト編』 『宇宙編』 『鳳凰編』 |
【2】手塚治虫の青年漫画★一部で有効。 T シリーズもの 『ミッドナイト』 個人の無免許タクシードライバー「三戸真也」と色んな客とのエピソードを描く。1話完結型。真也は元暴走族で、車をトランスフォーマーばりに改造している。 ●主人公はエスパー!顧客の素性を見抜く ●最終話が衝撃的! 『七色いんこ』 怪人20面相ばりに変装が得意な役者「七色いんこ」の活躍を描く。しかし只の役者ではなく、公演を見に来た客の中で金持ちから高価なものを盗むということをポリシーにしている泥棒でもある。 ●女刑事「千里万里子」との絡みに注目! いんこは泥棒のため、当然警察に狙われている。いんこを担当しているのがナイスバディの金髪女性刑事「万里子」であり、追い回す一方で、近くで対面したさいにドキッとしてしまい恋心を抱くようになる。しかしそれは偶然ではなく、終盤で理由が明らかに… 『アドルフに告ぐ』 ヒトラーの独裁政治を題材にした歴史漫画。ヒトラーをふくめ3人の「アドルフ」の友情と決裂を描く。 『きりひと賛歌』 ブラックジャックと同じ医療漫画。主人公(小山内)が何と犬の顔になるという病気(モンモウ病)にかかる。発祥は四国の山あいになる犬神沢の村で、突然強い頭痛と生肉を食べたくなり、骨の形まで変わってしまうという奇病である。かような外見の差別や医学の権威をテーマとしている。 『プライム・ローズ』 『ばるぼら』 『どついたれ』 『ドン・ドラキュラ』 『奇子』 『シュマリ』 U 短編 『ザ・クレーター』 『るんは風の中』 『空気の底』 『アポロの歌』 『鉄の旋律』 『悪魔の開幕』 『人間昆虫記』 『アラバスター』 『グロテスクへの招待』 |
【3】手塚治虫の少年漫画★一部で有効。 T シリーズもの 『鉄腕アトム』 ロケットのように飛び回り、10万馬力をもつスーパーヒーローロボットの話。しかし手塚治虫は決して技術革新が幸福を生むというテーマで描いたものでないという。自然や人間性を置き忘れて進歩のみを目指す科学技術が、いかなる社会差別や自然破壊をもたらすかをテーマに描いたものだとのこと。そんな意図が特に最終話に描かれている。 ●地上最大のロボット(第55話)が面白い! どこぞの国の王(サルタン)が博士に命じて作らせた世界最強のロボット(プルートウ)に関するエピソード。プルートウは世界最強を証明するため、各国のロボットたちに戦いを挑む。 ・出てくるロボット:モンブラン、ノース2号、ゲジヒト、ヘラクレス、ブランド、エプシロン ●最終話が少年漫画と思えぬ衝撃! アトムが活躍していた時代より未来の話。何と人間は自ら生み出したロボット達に支配されていて、コロシアムの出場選手として人工的に育てられていた。そんな中、とある人間が今は博物館に眠っているがかつて人間の味方だった「アトム」の力を借りようとするが… 『どろろ』 戦乱の時代の日本を舞台とする。妖怪に48の臓器を奪われた「百鬼丸」と、それにも関わらず人工的に付けられた義手、圧倒的剣術などを披露し、その強さに惚れ込んだ泥棒の子供「どろろ」の旅を描く。 ●ダークファンタジー漫画「ベルセルク」に影響! 使徒=妖怪に常に命を狙われ続け、狩り続けていくという話が共通している。作者の三浦建太郎も影響を受けたと言っていた。 『海のトリトン』 『バンパイア』 『ジャングル大帝』 U 短編 『ダスト8』 |
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